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【くるま家KOZO】の日々の活動を綴ってます。

K氏のクルマよもやま話第四話

K氏のくるまよもやま話第四話は『フランス式』です。本文にちょびっとドイツ人のルポのインプレも混じってます(笑)

そういうわけでフランスの高速道路も一般道路も見かけは簡素ですが、完璧な舗装がしてあります。どんな田舎に行っても。
 日本の道路がガードレールや防音壁など装置は過剰なのに肝心の舗装そのものが粗末なのとはじつに対照的です。
 シトロエンのハイドロは宇宙船のような乗り心地を約束しますが、エグザンティアはでこぼこの道にはすこし弱かった。フランスにそんな道路はないからです。グローバルな時代に後継のC5はどんな道路にも対応していますが、そのかわりハイドロ独特のフラット感はすこし失われている。
 フランスは曲がりくねる道路も少ない。国土がだいたい平坦で、書いたように道路をなるべくまっすぐにという発想もあるから。でも、シトロエンのハイドロもちゃんと曲がって走ってくれるし、列車で行くようなスムーズな感覚はカーブでもそのままです。その代わりフットワークのダイレクト感はありません。
 ノンちゃん(妻)用の車はワーゲンのルポですが、ワーゲン姉妹の末っ子で小さな車なのに太くて立派なタイヤをおごらされ、過剰な装備ではないかと思いながら、山道を飛ばしコーナリングで踏ん張るストレートな感覚を味わうと、車はこうでなくてはと思う。合理的ではないかもしれないが車の古典のおもしろさはあります。

 ついでにといってはルポにかわいそうだけど、ルポを買った経緯を書いてみます。
 市街地のマンション住まいから郊外の戸建てに越したとき、ノン(妻)用の車を考えました。ドイツ車はしっくりこなくて持ったことがなかったのですが、あるとき石内バイパスを走っていたらゴルフのカブリオが四十万で出ていた。わたしは天井に穴のある車でなければだめな人で基本サンルーフ付きです。だからオープンに憧れもあるけれど実用的ではないと思っていたのですが、ゴルフなら四人乗りで、セコンドカーなら問題ない。それがいつしか三十万の値札になったとき買いかもしれないと思い試乗しました。2003年式くらいだったと思う。
 勝手に乗ってきてくださいと言われ、美鈴が丘まで往復、オープンにして上り坂をフルスロットルで走ると予想外な歓喜でした。外観はカローラのようなのに内部は工場の制御パネルのようなすこし前のワーゲンのドイツ的雰囲気を残していて、轟音とともに突っ走る感覚は戦車でした。グワーッと迫力があり、「ドイツ車だあ」と思わず叫びそうになった。
 間をおいたらそれは売れてしまった。でもワーゲンのおもしろさを知り、ルポを探すことにしました。ポロほどの大きさも要らずポロはデザインが好みではなく、ルポのほうがノンに似合うと思ったから。
そう思っていたら広島内陸の田園の車屋さんに四十万のルポ・コンフォートがあると知って乗りに行きました。田舎を試乗し感じたのはとくに個性はないが悪くはないと言うものでした。しかし三万数千キロしか走っていなくて新車のようにきれい。三十万でいいと言われて買いました。
 自分の車として乗ってみると噛めば噛むほど味の出る、なかなか深い車でした。あなどれないと思った。
 小さな車に1,4リッターなのにパワーを感じません。そのくせディーゼルのような音がする。燃費も意外に悪い。エンジン音とロードノイズで走る重厚さはやはり戦車です。車格を超えた走りの安定感はすごい。とくに高速道路はまっしぐらにどこまでも飛ばして行ける。
 シトロエンのエグザンティアやC5は運転しなくても(実際には運転するのですが)勝手に走ってくれると言う感覚で地の果てまで行ってしまいそうですが、ルポは自ら運転して地の果てまで行けそう。日本のコンパクトカーや軽自動車のクッタリとした感覚では味わえない。
 かっしりとしたシートに座る気分はすこし前のドイツそのままです。メーター周りも奇をてらったものがなくて工場みたい。悪くありません。
 ふだんC5に乗りながら、口直し(?)にときおりルポを動かしてガ――ッと走らせると元気が出てよいのです。長年ペーパードライバーだったノンも車の運転がこれほどおもしろいとは思わなかったと言って飛ばしています。

 今、自動車生産大国は日米とヨーロッパはドイツ、フランス、イタリアくらいでしょうか。これほどグローバル化されそれぞれの国の特徴が薄れてきた時代にもかかわらず生産国の国柄を反映しているように見える。
 ドイツ車は無骨で力強い。
フランス車はモダンでしゃれている。
イタリア車はすこし野暮ったく暗い。
日本車は――盛りだくさんでぺらぺらしている。
 これは列車でもそうで、フランスの高速鉄道はしゃれていて静かでスムーズ、イタリアのはすこし古風で、ドイツのは力任せに速い感じ。日本の新幹線は正確でトラブルのないのが取り柄でスペック重視のように思えます。車内の雰囲気は事務的。JR九州の電車のようにやりすぎなのも野暮ったいですけれど。


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コメント
No title
ドイツ車って乗ってみて良さがわかりますよね。
基本 形で入るひとです
形だけでみるとドイツの車って色気もなにもないのだけど
乗ってみて虜になったひとりですんで
今回のお話とても楽しくうなずきながら読ませていただきました。

しぇとなんて日本車とドイツ車しかしらないんで
Kさんのようにいろんな車に触れてみたいものです。
2011/10/28(金) 14:53 | URL | しぇと #-[ 編集]
No title
しぇとさん

ドイツ車はホント色気が無いのですが、個人的には他の国のクルマから乗りかえると『ただいまっ!』って感じになります(笑)
先日も空冷ビートルが無性に欲しくなりました。。。
あのクルマをドライヴしてる時の空気感は最高です!

でもイタフラでもエグザンティアまでのハイドロシトロエンやキャトル、2CVなんかも幸せ感一杯のクルマですね。。。
あっ、イタリアン忘れてた(笑)初代パンダさんは好きです。
2011/10/29(土) 10:41 | URL | kozo #-[ 編集]
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